第88回日本循環器学会総会に参加してきました

今年も循環器学会の総会の時期となり、3月8日~10日に神戸まで移動し、参加してきました。

学会会場ではもと所属していた自治医科大学附属病院の先生がたとお会いし、昔話に花が咲きました。

その中で自治医大循環器内科で、TEER(transcatheter edge-to-edge mitral valve repair )を始める準備が整いつつあると伺いました。

僧帽弁という心臓の左側の部屋を隔てる弁があります。その弁が閉じきれず逆流が生じる病気を僧帽弁閉鎖不全症といいます。

弁の治療はこれまで外科手術が基本でしたが、TEERとは、カテーテル(医療機器の管)によってMitraClip®を心臓内に持ち込み、僧帽弁をつまむことで、僧帽弁閉鎖不全症を改善させる手技のことです。

つまり開胸しないので、開胸するにはリスクの高い患者様にも行える治療となります。

下図のイメージです。私も東海大学医学部付属病院で見学させていただいたことがあります。

私の後輩がその手技を行うために、外の病院に勉強しに行って戻ってきて、いよいよだそうです。

もと居た病院の治療の幅が広がる事、後輩たちがどんどん成長してくれていることはとても嬉しく、また自分も置いて行かれてはならない、と身が引き締まる思いにもなります。

ここからはさらに専門的な話になります。

僧帽弁閉鎖不全症などの弁膜症といった、心臓の構造的異常が原因の病気を、Structure Heart Disease(SHD)といいます。

近年SHDに対するカテーテル等の治療の進歩は、目覚ましいものがあります。

先に述べたTEER、大動脈弁狭窄症に対するカテーテルでの弁置換術(TAVR)などがそれに当たります。(脇内科クリニックからこれらの治療を目的に、患者様を東海大学医学部付属病院にご紹介させていただいたことが何回もあります)

学会では、三尖弁(心臓の右側にある部屋を隔てている弁)のカテーテル治療である、TriClip®がもうすぐ本邦で本格的に始まるとされていました。

MiraClipにしてもTriClipにしても、上の図のように患者様のもともとの自己弁をクリップでつまんで弁逆流を改善させるというものです。

しかし世界的にはもう弁をつまむクリップを置いてくる治療だけではなく、カテーテルで人工弁を僧帽弁や三尖弁に留置する手技が数年前から始まっています。

僧帽弁や三尖弁はなにしろ大動脈弁よりもサイズが大きいので、これは驚きの世界です。

5年、10年のうちに心臓の弁の治療がガラリと変わってしまうかもしれません。

今回はちょっとマニアックな内容になってしまいました。

上の写真は私と大学の同窓生で、学会の会場に集まったときの写真です。

私ともう一人の友人が二日酔いで、ホテルラウンジで焼きうどんを注文したところですね。しみじみと美味しかったです。

脇内科クリニック    脇 広昂

どうぞお気軽に


お電話ください。

〒255-0003 
住所:神奈川県中郡大磯町大磯1562
電話番号:0463ー61ー0829
休診日:日曜・祝日
※火曜・土曜は午前のみの診療です。