総合内科専門医を取得しました

昨年に総合内科専門医試験を受け、合格することができました。数日前にようやく証書が届きました。

私は内科の中でも、「循環器内科」を専門としています。臓器で言えば、主に心臓や血管になります。

しかし様々なお悩みで来院する患者様は、当然のことながら心血管だけに問題があるとは限りません。肺や消化器や腎臓、神経など様々な器官に病気が隠れていることがあります。

そういったときに自身の専門分野だけしか診れなければ、「困っている」「何とかしてほしい」と思っている患者様の期待に応えられないことになります。

また心血管疾患ばかり診て、医師として視野が狭くなってしまうと、私自身に先入観（バイアス）がかかって、思わぬ見落としに繋がってしまうかもしれないという不安もありました。

そこで専門科はもちろんのこと、内科疾患全体を、広く高いレベルで診ることができるかかりつけ医を目指して、総合内科専門医試験を受けることを決心しました。

・・・のが、一昨年の春ごろでした。

コロナ禍のため2020年度の総合内科専門医試験は延期になっていたので、2021年度の試験を受けるつもりで勉強していましたが、受験日まで1ヶ月を切っていたころでしょうか、コロナ緊急事態により再び1年間延期のお知らせがきました。

かなりがっくりきましたが、深く学ぶ機会が与えられたと考えて勉強し直し、2022年度の試験に合格することができました。

それにしてもコロナ関係の問題が一問も出なかったのには驚きました。

コロナ以外にも、2020年～2022年の間に新しく改定された様々な分野の内科ガイドラインには目を通していましたが、そうしたアップデート問題はほぼ出なかったと思います。

もしかして2020年度に出題予定だった試験問題が改訂されずにそのまま出たのかな、と思いました。となると、今年受験の方は一気に数年分のアップデート問題が出ることになるので、すごく大変じゃないかな・・・と心配しています。

試験勉強を通して、自分が学生だったときには治療法がなかったB型肝炎やC型肝炎の治療が根本的に変化していること、悪性腫瘍などに対する生物学的製剤の進歩が目覚ましいこと、糖尿病の新しい治療など、挙げればきりがないほど多くを学び、これまでの自分の勉強不足を知ることができました。

私が師事していた先生から、「医師は2年くらい新しいことを学ばなければ、もう付いて行けなくなる」と言われたことがありますが、まさにその通りです。

医学は日進月歩しています。だから弛まず勉強していく必要があります。

総合内科専門医の名に恥じぬよう、地域のかかりつけ医としてこれまで以上に精進してまいります。

脇内科クリニック　　　脇　広昂