日本循環器学会学術集会に参加してきました
先日博多で開催された、日本循環器学会学術集会に参加してきました。
コロナ禍になり、昨年までの3年間はオンラインでの開催だったところを、4年ぶりの現地開催ということでとても盛り上がっていました。
会長講演では、2021年から認定制度が始まった心不全療養指導士が全国的に増えてきていることに触れていました。
日本は2008年から人口は減少傾向にありますが、心不全の患者数は2010年ごろから100万人を突破し、今なお増え続けています。
この状況は感染症の爆発になぞらえて、心不全パンデミックと呼ばれています。
患者数の増加は2035~2045年ごろまで続き、その後は人口減少のため緩やかに減っていくと予測されています。
原因は日本が超高齢社会に突入していること、また心不全を根本的に治癒させることが難しいことにあります。
この心不全パンデミックに当たり、入院・外来、中核病院・地域医療を問わず、心不全の患者様に最適な療養指導を行ってくれるのが、心不全療養指導士なのです。
私が中核病院で働いていた時には、この心不全療養指導士の認定制度がまだ存在せず、同様の仕事内容は医師・看護師・栄養士・理学療法士などが協力して行っていました。
心不全療養指導士の方にはまだお会いしたことがありませんが、是非お会いして心不全の地域医療を充実させるために情報交換したいと思いました。
また人工知能を使った診療の研究が、臨床の場や画像検査の読影など、様々な分野で進んでいるようです。
患者様の症状を入力しただけで、可能性がある病気を挙げてくれる人工知能などは、そろそろ実装されそうですね。
10年後の外来診療は、現在のものと大きく変化しているかもしれません。
ただ人工知能は人間が作ったツールである以上は、医療者の能力を超えたり、取って代わったりするものではなく、うまく運用することが重要とのことでした。
より見落としを少なくするために人工知能に頑張ってもらう一方で、その分我々医師は患者様ときちんと向き合って、十分なコミュニケーションを取って診察する時間を増やすことができるそうです。
勉強し続けないとあっという間に置いて行かれそうな不安を覚えつつ、気を引き締め直して大磯に帰りました。
脇内科クリニック 脇 広昂
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